プロポーズは隕石で!?

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『それでは夜9時ちょうどに。ありがとうございました』
電話を切るとオペレーターは早速、人工衛星に注文のメッセージを送り、当日地球へ降り注ぎそうな流星群にメッセージ用隕石を紛れさせ、注文通りの文字で輝くように手配する。指定場所への落下の微調整も忘れない。
20XX年このようなメッセージサービスが大盛況となっていた。
 孝と万利子の付き合いは長い。だが中々結婚のハードルを越えられなかった。
このサービスでプロポーズすれば、一発でOKサインをくれるだろう。
月の兎サービスを利用して返事してくるかな。
当日『万利子結婚しよう』の文字と共に流れ星が輝き
文字は燃えながら太平洋の真ん中に落ちた。
やがて孝の予想通り月の兎が踊り出した。しかし兎の発した文字は『NO』
茫然と空を見上げる孝の肩を誰かが叩く。振り返ると万利子だ。
『今、直接プロポーズしてくれたら、YESだよ』
孝の顔は満面の笑みに包まれた。
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公開:19/12/09 22:39

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