祢杏ちゃんとペット

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僕は意を決して祢杏(ねあん)ちゃんの家を訪問した。彼女は同じ高校の同級生で、僕がひとめぼれした天使だ。

家に入ると、彼女の後ろに大柄なドイツ人のお父さんがニコニコで出迎えてくれたのを観て、僕は心の底から安堵した。優しそうな人で好かった。

奥に通されると、リビングに暖炉があり、その前に大きな動物が横たわっていた。僕に気がつくと、そいつは長い牙をむき出しにしてうなりながら今にも襲いかかってきそうだった。

「“Pfote!”(ふぉーて)」

祢杏ちゃんが号令を掛けたらそいつはおとなしくなった。僕は安心して軽口を叩いた。

「あはは、“お手”ができるおりこおうさんなんだね。パンチ食らうかと思ってヒヤヒヤしたよ。」

「ナイン、よしお。手ちがう。この子、メタイルルスなかま。大きな猫だから“足”。で、“キック”ね。」

その時、お父さんの目が笑ってなかったのを僕は見逃さなかった。どうしよう?
ファンタジー
公開:19/12/11 07:00
更新:20/01/16 11:25
212 剣歯虎 剣歯猫 だって猫なんだもん ネアンデルタール人 祢杏ちゃん

武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド、タイッツー )

武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。

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