airpods pro人生2.0

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待望のairpods pro。
ノイズキャンセリングが売りのこの商品を片手に、ボクは重い腰を上げて会社へと向かう。

ノルマが書かれた時代錯誤のホワイトボードを一瞥し自分の席に着く。
上司が名前を呼ぶ声を無視してボクはairpods proを耳に挿した。

騒がしい社内が一気に静寂の世界に。

目を瞑ると勝手に宇宙で1人漂う場面が思い浮かんだ。

「なぜボクはこんな人生を歩んでいるんだろう?」

ふと目を覚ますと、
そこは会社ではなく眩い光に包まれた世界が広がっていた。

遠くにはいつも深夜に通っていた吉野家が見える。
そういえば1週間連続で通ってたら店長がサービスで豚汁出してくれたな。

ボクは靴を脱いで、フェンスをよじ登った。
耳につけていたairpods proはもうない。

ボクは目を閉じた。
騒がしい世界を一瞥して、ボクは一歩足を踏み出した。
ファンタジー
公開:19/12/08 14:27
更新:19/12/08 14:35

サラダバー( 東京 )

28歳。

 

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