絶望の空腹感

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 現代に生きる僕には実感が無いが、今は飽食の時代と言うらしい。なるほど、確かにこれまでの生活を振り返ればそうかもしれない。けど今の僕にとってはそんな言葉でさえ疑わしい。
「お腹減った……」
 冷蔵庫が空になったから久々に外食をしようと思ったのだが、近所の定食屋さんは閉まっていた。運が悪い……。
「仕方ない、コンビニ弁当で済ますか……」
 そう呟きコンビニへ向かう。すると背後から1台の車が勢いよく後ろから通り過ぎていった。直後お腹に響くような音が耳に届く。コンビニがある方から。
「な、なんだ!?」
 空腹の体にムチを打って走る。すると先程僕の隣を通り過ぎて行った車がコンビニに突っ込んでいた。品物は辺りに散乱している。人々は悲鳴を上げたり、警察や救急車を呼んでいる。これは大事件だ……と、普通なら思うだろう。だけど僕は絶望していた。この状況で食べ物を買えるわけが無い。
「お腹すいた……」
その他
公開:19/12/08 22:11
更新:19/12/09 05:05

サァモンチップ

小説の構成の練習はショートショート小説でするのが良い、と聞いたのでチャレンジしてみることにしました。
もし何かおかしな所があれば遠慮なく突っ込んで下さい。
よろしくお願いします。

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