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サンタ人形は踊り狂う。自分にはダンスしかなかった。背中にあるスイッチを押されたらもう止まることができない。音楽に合わせて腰を横にふり、ノリノリに踊るしかなかった。
今日も自分の運命に絶望しながら踊るサンタ人形は、外の世界に憧れていた。長い間暗い押し入れの中に閉じ込められ、クリスマスシーズンも家の中でしか過ごしたことがなく、外の世界を知らなかったのだ。テレビで見たあの雪をこの目で見たい。
明日は初雪が降るらしい。どうか私に雪を見させてください、と本物のサンタに願った。
すると本物のサンタが夜中にこっそりやって来て、サンタ人形を外に連れ出した。白い雪が静かに降る夜だった。サンタ人形は初めて自分から踊ってみせた。雪と一緒に心からのダンスを。楽しくて仕方ない。本物のサンタはそれを見てとても喜んだ。
翌朝、部屋の中にあるサンタ人形で遊んでいた子供が気づいた。
「あれ?背中のスイッチがないよ。」
今日も自分の運命に絶望しながら踊るサンタ人形は、外の世界に憧れていた。長い間暗い押し入れの中に閉じ込められ、クリスマスシーズンも家の中でしか過ごしたことがなく、外の世界を知らなかったのだ。テレビで見たあの雪をこの目で見たい。
明日は初雪が降るらしい。どうか私に雪を見させてください、と本物のサンタに願った。
すると本物のサンタが夜中にこっそりやって来て、サンタ人形を外に連れ出した。白い雪が静かに降る夜だった。サンタ人形は初めて自分から踊ってみせた。雪と一緒に心からのダンスを。楽しくて仕方ない。本物のサンタはそれを見てとても喜んだ。
翌朝、部屋の中にあるサンタ人形で遊んでいた子供が気づいた。
「あれ?背中のスイッチがないよ。」
ファンタジー
公開:19/12/06 21:48
夜野 るこ と申します。
(よるの)
皆さんの心に残るようなお話を書くことが目標です。よろしくお願いします。
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