002.価値

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 ~とある惑星にて

「偵察船は?」
「宙域を離脱しました」
「今回もしのげたな」
「はい。我が科学班による惑星擬装は完璧です」
「宇宙からはこの星が、嵐吹き荒れる死の惑星に見えるのだな」
「ええ。観測データも、ハッキングで改竄されます」
「その豊かさ故、幾度も侵略を受けてきた日々に、ようやく終わりが見えたな」
「はい。無価値を装うことで、我々は平和を手にするのです」
「価値無き事を有難がる日が来るとはな」

 ~別の惑星にて

「偵察船は?」
「無事帰還しました」
「今回も同様か?」
「はい。我が科学班による観測データは完璧です」
「資源のない大地。永久的に吹き荒れる嵐。まさに死の惑星だな」
「ええ。生物の生存はあり得ないといえるでしょう」
「やはり杞憂か。これでようやく始められるな」
「はい。では、惑星破壊兵器R7の実用試験を開始します」
「価値無き星を有難がる日が来るとはな」
SF
公開:19/12/06 20:05
短編 SF 宇宙 惑星 戦争 兵器

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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