体罰の代わりに抱擁

体罰に対するガイドラインが制定された。
『子供に対して、いかなる理由があろうとも暴力を振るってはいけない』という、絶対条件の誕生だ。
拳骨、ビンタ、お尻ペンペン。全て禁止だ。
大人は子供がどんな悪事を働こうとも、躾という名の体罰を振るうことが禁止された。
それでは子供がつけ上がってしまう。何でもかんでも「ごめんなさい」と言えばすむと思ってしまう。
それではダメだ。悪い事には罰が必要だ。
そこで開発されたのがこのヒューマノイド・抱擁くんだ。
お説教した後、抱擁くんが抱きしめることで、子供達はもう二度と悪い事をしないと誓う。
何でって？
この抱擁くん。太ったおっさんなのだ。
しかも全身しっとり汗をかき、若干臭く、鼻息荒く、息は臭い。
それに長時間抱きしめられるのだ。子供達は当然、泣いて嫌がる。
それはスメハラ？何言っているんだ？
これはヒューマノイド。ロボットに人間のルールは適用されないだろ？