お願い、DJ

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 晴れた日は砂浜にビーチチェアを出して読書をする。傍らのテーブルには昔ながらのラジオと冷たいコロナ。
 FMを聴きながら、のんびり過ごす休日は最高だ。DJの軽快なトークと洒落た音楽。
「ジ……次……ジジ……天気予……」
 ところが急に電波の状態が悪くなった。
「ジジ……お天気……は……ところ……天……荒れる……う」
 海の天気は変わりやすい。こういう時は要注意で、天気が崩れることがある。
 見れば、いつの間にか沖の方に真っ黒な雲がわいていて、こちらに近づいてくる。雲の下だけ海の色が違うのは、激しく降っているからだ。
 これはいけない。僕は慌てて荷物をまとめて、車に戻ろうとした。
 だが、間に合わなかった。
 ざぁー!
 激しく降り出した透明な糸が視界を塞ぐ。
 次から次へと頭の上に落ちてくる、透明な……

 ところ天

 ツルツル落ちてくる、ところ天を避けながら、僕は砂浜を走った。
 
その他
公開:19/12/03 10:34

堀真潮

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Twitter  @hori_mashio
tamanegitarou1539@gmail.com

 

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