弾ける二階

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12月25日。
お祝いムードの街に雪が降り始め、今年はホワイトクリスマスだと人々は笑顔を見せていた。
ところが正午を過ぎたあたりから、雪は豪雪に変わり、もはや自然災害と言ってもいいレベルに達した。
「おい、稼ぎ時だぞ」
人々が悲しみ落胆すると、その一方で嬉々と活動を始める輩がいる。
リーダーの遠藤はいつもの仲間を呼び集め、仕事にかかった。
彼らは中止になったイベント会場にトラックで駆けつけると主催者代表を呼びつけた。
この手の交渉は遠藤の得意分野だ。
内密な取引を無事に済ませると、次々と商品を荷台に積み込む。
「アニキ、これ何です?」
「後で教えてやる」
ニンマリと悪い笑みを浮かべて、遠藤はブツを自宅の二階へと仲間に運ばせた。
仕事成功を祝って一人が爆竹を鳴らした。
すると遠藤宅の二階が大爆発し、弾けとんだ。
「おい、馬鹿野郎!」
「廃棄予定の花火を横流し? アニキ、先に言って下さいよ!」
ミステリー・推理
公開:19/12/03 19:17
更新:19/12/03 22:47
犯罪 クリスマス ホワイトクリスマス

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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