黒体輻射

　一九八〇年代は今よりも宇宙が身近で、テクノロジーに無限の未来が広がっていた。
　スペースシャトルが飛び、ガンダムや銀河鉄道９９９が流行り、ＹＭＯがヒットし、コンピュータが漸く一般家庭にも普及しはじめた頃だった。
　テレビは今とは違いアナログ放送で、二十四時間放送ではなかった。毎日（だったかな？）深夜の放送終了時には各局のコールサインの放送があった。それが終わると画面は砂嵐になり、ザーというノイズが流れた。砂嵐というのは白と黒の非常に細かい斑模様で、非常に素早くその模様が動き回っている。真偽は不明だが、その砂嵐の中に黒体輻射が含まれており、遠い宇宙の黒体からの電波や、もしかするとビッグバンからの電波もある、という話を聞いたことがある。それを見て遠く広い宇宙を思ったものである。
　二〇一九年現在、人々は下を向いてスマホばかりいじっている。たまには夜空の星の世界で遊んでみてはいかがだろうか。