ある晴れた日に

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 あなたが帰ってくるかと、私は今日も港の見える丘へ行く。
 島から都会へ出たあなたとの遠距離恋愛も早一年。最近は帰るどころか、帰れないの連絡さえ忘れられるようになっていた。
 友人達はみな、口を揃えてもう終わりだと言う。忘れて新しい恋をしろと言う。
 そんなに簡単に諦められたら苦労はしない。
 船を迎える祝砲を聞きながら、私は口ずさむ。

 ある晴れた日
 遠い海の彼方に煙が立ち
 船が……

 
「え? 何あれ?」
 現れたのは船ではなかった。
 
 祝砲かと思ったのは、迎撃用ミサイル。
 同時に、耳をつんざく咆哮と共に放たれたビームが、一瞬にして港を火の海にした。
 私はくるりと踵を返すと、必死で丘を駆け下りた。

 ある晴れた日
 遠い海の彼方から

 巨大な怪獣が……

 
 
SF
公開:19/12/01 14:14

堀真潮

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tamanegitarou1539@gmail.com

 

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