ある夜

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昨今のラブホテルはどうもテレビのまわりばかり進化しているようだけれども僕としてはあまり面白くない。
昔の無意味に回転するベッドだとかよくわからない鏡張りだとか、あの方向性はいったいどこへ行ってしまったのだ。宿泊25000円はもういいとしよう。ボタンを押したあと、本当にそのお値段のお部屋でよろしいんですかとわざわざ奥から出てきて訊いてくれたこともよしとしよう。しかしなんだこの部屋は。なんだか数珠?的なものが無数にぶら下がった部屋にベッド、プロジェクターである。いる?プロジェクター。数珠のせいで映像も観にくいし。どういう趣向なのかわからない。だいたいこういうところで観られる映画の数は増えなくていいのだ。ずっとエイリアン、リング、ラッシュ・アワー2でいいのだ。それを
「なにごちゃごちゃ言ってるの」といいながら君がバスルームのドアを開けるので、僕は慌ててシャツのボタンをはずした。
公開:19/12/01 08:08
更新:19/12/01 10:02

Morisaki( 大阪ー東京ー大阪 )

たまに書きます。

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