259. 黄昏の図書館
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黄昏の図書館、日の当たる窓際の席で、参考書片手に、いつも眉をほんの少しひそめてた背の高い彼の、おでこの高さにあった小説をたまたま取ってもらったあの時から、私は貴方に恋をしていた。
「それ、僕も読んだよ」
小さい声で呟いた一言に、えっと聞き返しても、次の瞬間貴方はもう、参考書へ目線を移してた。
そんな貴方の名前を貸出しカードでそっと確認して、心のなかでたまに呼んでいた。
私が少し酷い風邪を引いた後、しばらくぶりに図書館へ行った。
翌日も翌々日も行ったけど、もう二度と貴方は来なかった。
きっと目指してた大学に受かったのね。そしてこの街から旅立って行ったのね。
私だけ恋してた。
名前と、少し長い睫毛と真剣な眼差しだけ知っていた。
もういないあの人。
私はいつまでも、次のページにすすめないまま、いつも黄昏時にここへ来る。
夕日の当たる窓際の席で、影の葉っぱがただゆっくりと、揺れている。
「それ、僕も読んだよ」
小さい声で呟いた一言に、えっと聞き返しても、次の瞬間貴方はもう、参考書へ目線を移してた。
そんな貴方の名前を貸出しカードでそっと確認して、心のなかでたまに呼んでいた。
私が少し酷い風邪を引いた後、しばらくぶりに図書館へ行った。
翌日も翌々日も行ったけど、もう二度と貴方は来なかった。
きっと目指してた大学に受かったのね。そしてこの街から旅立って行ったのね。
私だけ恋してた。
名前と、少し長い睫毛と真剣な眼差しだけ知っていた。
もういないあの人。
私はいつまでも、次のページにすすめないまま、いつも黄昏時にここへ来る。
夕日の当たる窓際の席で、影の葉っぱがただゆっくりと、揺れている。
恋愛
公開:19/12/02 01:36
更新:20/04/06 21:36
更新:20/04/06 21:36
日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。
こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)
2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選
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