活字中毒

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「俺活字中毒なんだよね」
喫茶店で向かい合った彼はスマホに目を落としながら言った。
「こうやってお前と会ってる時もSNSの呟きとかネットニュースとか見ちゃってさ」
彼は僕に目もくれずに言う。
「文字読んでないと落ち着かない、みたいな?」
彼は僕に説明をする。
「文字があったらなんでも読んでしまうんだよな」
彼はスマホをタップし続ける。
「そうか、色々あるんだな」
僕はそう言うと彼から目を離して手元の本を読み始める。隅から隅まで書かれた沢山の文字が僕を向かい入れてくれた。僕の興味はもう彼ではなく文字だ。
「活字中毒は大変だな」
僕が本を読みながら適当に言うと彼は「まあな」と答えた。
彼の後ろの窓に映ったスマホの画面にはグラビアアイドルのようにポーズを取った女性の写真が映っている。
その他
公開:19/11/30 14:36

ダヴコ

深く考えずにふわーっとした空気感で書きたいです。ログアウトしてはパスワードを忘れる日々。

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