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 俺はSS作家志望なので星新一から直に批評が欲しい。そこで本職の召喚師の技を使うことにした。呼び出せるのは一回限りかつ一分間だけ。床に魔法陣を描き呪文を唱える。
 ノックの音がした。
 俺は喜んで原稿を握りしめ扉を開ける。が、見知らぬ中年男が一人。がっかりして「お前誰だよ」と聞く。
「N氏です」
「じゃあお前で我慢する」
 自信作を読ませたのに、N氏は突っ返してきた。
「どこがダメなのか教えてくれ」
「全部です」
「ちゃんと読めやごるぁしばくぞ地獄へ帰りやがれ」
 殴り合いをしていたら魔法陣から視線がした。なんと本物だ。N氏はぱっと平伏した。俺も平伏しながらも自信作を渡そうとしたが、すでに星新一は首から上になっていた。消える瞬間「良いネタをありがとう」という温厚そうな声が聞こえた。なんでこうなる。
 ま、星新一の霊界新作の一つは俺がモデルだ。死後、読むのが楽しみだ。作家修行もがんばるぜぇ。
ファンタジー
公開:19/11/30 06:41

ふじたごうらこ( Japan )

書くと固まって画面が動かなくなるので
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どうぞよろしくお願いします。

※バレエ文学出版&バレエリテラチュア主宰(これから動きます)
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第1回目から参加しております。よかったら見ていってください。
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