雑煮の嫁入り

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結婚して初めてのお正月。
出されたお雑煮を見た夫の反応。
「何これ!具は菜っ葉だけ。餅はグズグズ。こんなの雑煮じゃないよ。ウチのはさあ…」
…腹立つ。

翌日夫の実家に行くと納得した。
すまし仕立ては同じだが、焼いたお餅に菜っ葉・鶏肉・蒲鉾など、それは豪華だった。案の定、夫による暴露が始まる。
途端に義母の顔が険しくなった。まずい!と思いきや、義母は私ではなく息子を睨みつけた。

「この子にはこの子のお雑煮があるのよ!お母さんの大事な味がね!」

翌日、義母が台所からこっそり手招きした。
「昨日はごめんなさいね」
そして教えてくれた。自分も嫁入りした時、実家のお雑煮を作って貶され、二度と作るのを許されなかったことを。
「でも、悪くないのよ」
そっとお椀を差し出す。
白味噌仕立てに人蔘や大根。そして何と餡入りの丸餅!でも美味しい。
「そう?ありがと」
微笑んだ義母の目は、少しだけ潤んでいた。
その他
公開:19/11/29 11:11
大歓迎 ウチのお雑煮自慢

秋田柴子

2019年11月より、SSGの庭師となりました。
現在SSから長編まで幅広く書いております。

【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞1回 入選2回
・SSG 空想競技コンテスト 入賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・SSマガジン『ベリショーズ vol.5,6,7,light』掲載(Kindle無料配信中)
https://www.amazon.co.jp/dp/B096821HSW

【近況】
 いろいろ書いてます(笑)

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