私をくるむもの

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春に別れた彼とやっと再会できる!
夏が過ぎ、秋を越え、冬がやって来た。私は彼に会う為、押し入れを開ける。
彼はどこ?私を温かくくるんでくれる、愛しのこたつ布団様!
彼さえ見つかれば、私は今年の冬もこたつむりになれる。温かさと睡魔に包まれる。私は必死に彼を探した。
あれ?おっかしいなぁ…確かこの辺りにくるめたと思うんだけど…私がいくら探しても彼は見つからない。
それどころか押し入れから雪崩の如く布団を始めとした衣類が私を襲う。
雪の雪崩は冷たい。しかし、布団や衣類の雪崩は温かい。
…今日はもうこれでいいか。面倒臭くなった私は見つけた冬用の衣類を身に纏い、暖を取った。

「で、どこにくるめたか分からなくなったからまたこたつ布団を購入したの?」
母にそう聞かれ、私は弱々しく「はい…」と答えた。
こたつ布団は邪魔になるから母に預かって貰っていた。
それに気付いたのは今年もこたつ布団を購入した後だ。
公開:19/11/26 18:34

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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