じんぞうにんげん

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「Hさんですね。少々お待ち下さい」
政府の“人口管理科”から呼び出されて出頭することになったが何の用だろう。
通された一室で待っていると管理者らしき人が現れた。
「おまたせしました」

簡単な質問のあと、男の言葉に俺は耳を疑った。

「Hさん、あなたは人造、もとい人増人間ですね。人口減少を改善し労働力を確保するために作られた人間です」

そんなはずはない! 俺は孤児院育ちだが記憶ははっきりと残っている……。そういえば院長ってどんな人だっけ?
「それは偽の記憶ですね。実際のあなたは一歳未満です」
その言葉を最後に俺は意識が途切れた。


Hと呼ばれた男は水槽の中に入れられ、そこに特殊な薬品を混ぜられる。
数刻後、水槽には腎臓が漂っていた。

「人口問題が改善したから、人増人間を元に戻すとか。政府の命令はいつも突然ですな」
「まあ、こうして再利用できるからいいのでは」
SF
公開:19/11/26 15:23

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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