優子とパパ
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「優子、おかえり」
部屋に帰るとパパがソファに座っていた。
パパは十年前に病気で亡くなった。でも、その後も時々、半透明の姿で私の前に現れる。卒業、就職……人生の節目にこうしてやって来るのだ。
「明日の準備、順調か?」
「なんとか。結婚式挙げるのってこんなに大変なんだね」
「そうだな……今日は優子に言わなきゃならないことがある。死後の世界には掟があって、三回しか生きている人間の前に現れることはできない」
「じゃあ……」
「今回で最後だ」
一度は別れを経験しているとはいえ、絶句した。
「パパな、最初から決めてたんだ。優子が結婚したら成仏しようって。お前には未来がある。健二君と幸せな家庭を築け。それだけを考えろ」
「パパ……ありがとう」
それから三年。私達夫婦は子宝に恵まれた。産まれたばかりの我が子を抱いていると、腕の中からはっきりと声がした。
「優子……やっぱりパパ、心配でさ」
部屋に帰るとパパがソファに座っていた。
パパは十年前に病気で亡くなった。でも、その後も時々、半透明の姿で私の前に現れる。卒業、就職……人生の節目にこうしてやって来るのだ。
「明日の準備、順調か?」
「なんとか。結婚式挙げるのってこんなに大変なんだね」
「そうだな……今日は優子に言わなきゃならないことがある。死後の世界には掟があって、三回しか生きている人間の前に現れることはできない」
「じゃあ……」
「今回で最後だ」
一度は別れを経験しているとはいえ、絶句した。
「パパな、最初から決めてたんだ。優子が結婚したら成仏しようって。お前には未来がある。健二君と幸せな家庭を築け。それだけを考えろ」
「パパ……ありがとう」
それから三年。私達夫婦は子宝に恵まれた。産まれたばかりの我が子を抱いていると、腕の中からはっきりと声がした。
「優子……やっぱりパパ、心配でさ」
ホラー
公開:19/11/26 00:30
更新:19/11/26 10:34
更新:19/11/26 10:34
節目
30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。
長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。
Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00
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