ランプの猫

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「これが金貨3枚は高すぎる」
男の言葉に古道具屋の老婆が答えた。
「それは魔法のランプじゃ」
「これがあの噂の!だったら逆に安いな。あんたはこれを使ったのか?」
「いや、残念ながら私はアレルギーでね」
「金属アレルギーか、そりゃ残念だ」
「じゃが、これを使った者は必ず幸せになれるよ」
「よし、このランプを買うぞ」
男はさっそく家に持ち帰りランプを擦ってみた。すると、ボフンと音がして煙の中から猫が現れた。
「にゃああ。貴様に我の願いを叶えさせてやるにゃ」
「え、俺が叶えるの?」
「まずは美味しい魚を持ってくるにゃ。お腹ペコペコにゃ。急ぐのにゃ」
男はわけもわからず店に走り、新鮮な魚を猫に与えた。猫はそれをガツガツと食べ尽くすと、「眠くなったにゃ」とコロリと横になり眠ってしまった。
「俺の願いは叶えてくれないのかよ」
男が猫の頭を撫でると、猫は気持ちよさそうに喉を鳴らした。

「まあ、いっか」
ファンタジー
公開:19/11/27 13:55
更新:19/11/27 22:54

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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