さよなら裸族

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私の父は会社から帰宅すると、裸族になる。

私は青春まっ只中なのよ!なのに…父は毎日まっ裸なんて最低!
「父さんの先祖はなぁ、代々裸族なんだぞ」そんなこと知るかよ!

そんな私にも、彼氏ができた。高校のテニス部で知り合った先輩だ。父とは、桁違いのスマートなイケメンだ。

私は、彼を自宅に誘った。あの裸族が、出張で大阪へ行くという情報を母から入手したのだ。

「おうちデートも楽しいね。今度、そっち行っていい?」
「実は、ウチの家族…裸族なんだ」
「はぁ?」
私は悩んだ末。父に彼を紹介することにした。
「君も裸族だったとはな」
「はい。先祖代々裸族なんです」
二人は、裸族になってカラオケで盛り上がっていた。

「さよなら裸族、私の青春」
私は大学を卒業して、この家を出た。裸族の彼も捨てた。自分を脱ぎ捨てるためだ。

アパレル会社で、服を着せるプロになり、独立し、ブティックを裸一貫で立ち上げた。
青春
公開:19/11/27 12:50
スクー 青春裸族

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。お笑い好きで怪談も好き。
最近はスクーのお題からの作品を楽しく書かせていただいてます。お笑いネタのような作品が多いですね(笑)
【受賞作品】
「渋谷シティ」
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞受賞。
「我が家の食卓」
ベルモニーショートショートコンテスト入賞。
「電車家族」
隕石家族ショートショートコンテスト入賞。

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