恋にあがき、愛にもがき

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私は恋する文学少女。

学校の図書室で同じ本を取ろうとして、手と手が触れ合った。その時の彼の笑顔に一目惚れ。読書好きが結んだ縁。さしずめ、縦書き愛とでも言うべきかしら。

なんて、能書き垂れてる場合じゃない。思い立ったら即行動。本を借りる彼の学生証を盗み見。名前をメモに走り書き。

……西垣くんっていうんだ。背が高くてイケメン。クラスのガキみたいな男子とは全然違う。

ああ、この思い伝えたい。女磨きもやらなきゃだけど、この胸の内、殴り書きにして彼に渡そうか?

だけど、私は見てしまったの。図書室から出た彼が、学校一のマドンナと一緒に帰る姿を。恋は肩書きじゃないけれど、この勝負、勝ち目はなさそう。

私にも春が来たと思ったのにもう失恋。やれやれ、恋は筋書き通りにはいかないものね。

傷心で窓の外を見やると、グラウンドには野球部のエース……。

私は恋する文学少女。

早くもアイツに上書き愛。
青春
公開:19/11/27 11:35
スクー 縦書き愛

makihide00( 鳥取→東京→福岡 )

30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。

長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。

Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00

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