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糸ようじで右奥歯の間を掃除していると、細い隙間があったので糸ようじをこじ入れてみた。それはΩの形をしていた。するとスマホのタイマーが勝手に作動し「残り時間3分」と告げた。
俺は「何のこっちゃ」と、糸ようじを引き抜こうとした。すると激痛が身体を貫いた。
俺は鏡で状況を確認した。糸ようじは、奥歯の真下に位置している。Ωの形を思い描き、今度は慎重にそのイメージを辿る。
「っ!!!」
後戻りする道は閉ざされていた。進むしかなかった。
糸ようじをどこにも触れさせないよう、目を閉じて指先に神経を集中させる。アスリートに大切なのはイメージ力だ。
「おお。見えるぞ」
俺は自分の歯間に形成された迷路の難所をクリアしていった。
あと少しで左奥歯に到達する。というタイミングで、スマホのタイマーがブザーを鳴らした。
「残念。チャレンジ失敗」
俺の全ての歯が、バネに弾かれるように口から飛び出した。
俺は「何のこっちゃ」と、糸ようじを引き抜こうとした。すると激痛が身体を貫いた。
俺は鏡で状況を確認した。糸ようじは、奥歯の真下に位置している。Ωの形を思い描き、今度は慎重にそのイメージを辿る。
「っ!!!」
後戻りする道は閉ざされていた。進むしかなかった。
糸ようじをどこにも触れさせないよう、目を閉じて指先に神経を集中させる。アスリートに大切なのはイメージ力だ。
「おお。見えるぞ」
俺は自分の歯間に形成された迷路の難所をクリアしていった。
あと少しで左奥歯に到達する。というタイミングで、スマホのタイマーがブザーを鳴らした。
「残念。チャレンジ失敗」
俺の全ての歯が、バネに弾かれるように口から飛び出した。
ファンタジー
公開:19/11/27 08:05
更新:19/11/27 08:45
更新:19/11/27 08:45
acworksさんによる
写真ACからの写真
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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