ハンズと私

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曽祖父は令和生まれでいまだに食事をする。決まって日に三度摂る。身に余る贅沢だが、その為に私は昔夏休みや正月実家に帰るのが楽しかった。
その曽祖父が先週倒れた。頑なに呼気からの栄養を摂ろうとしないという。曽祖父の他に料理などできる者はいない。親戚一同悩んだ挙句、私に白羽の矢が立った。
「つくったことないけど」
「まあ花嫁修業よ」
「彼氏もいないのに」
「できるわそのうち」
私はとりあえずハンズに向かった。ああいう理科っぽいものはだいたい東急ハンズに売っていると思った。しかしハンズには動物の肉や草は売っていなかった。
後輩のヤマダが近くに魚売っていますよと言うので一緒に行ったのだが生きた魚の専門店で、食べるためのものではないという。
「ハンズですかね」
「もう行ったよ」
「鳥を捕まえるとかどうですか?」
「それも試したけど、包丁じゃぜんぜん無理なの」
「原始人はどうしてたんですかね…」
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公開:19/11/26 23:52
更新:19/11/27 15:14

Morisaki( 大阪ー東京ー大阪 )

たまに書きます。

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