虹流し

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雨上がりの川には、虹の素が流れています。
雲の中で乱反射した太陽が、七色の結晶となって雨に宿り、降って来るのです。小さな雨滴ひとつが、落ちて砕ける時にこぼれた、砂粒ほどの虹は、あまりに微かで、あまりに束の間で、地上の眼には捉えられません。けれど、それが幾つも幾つも降り注ぎ、大きな流れに溶け込むと、糸を紡いで織り重ねた様に、虹の帯が出来上がります。
虹の帯は、とてもとても軽いので、そよ風にもふわりと浮かび、やがて雲の上へ橋を架けます。貴方が手に取ったその糸は、織り上げる途中の虹なのです。

どうぞ手に取って、風に流してごらんなさい。そっと息を吹いてごらんなさい。貴方の頬を伝った雫も、一緒に混ぜてしまいなさい。
貴方の涙が創った虹が、今日の午後を飾る時、誰かの笑顔が咲くかも知れない。そんな風に思ったら、少し気持ちが晴れませんか?
ほら、やっぱり。そうして笑った方が、貴方はずっと素敵ですよ。
ファンタジー
公開:19/11/26 21:19

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
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花神の庭

詩集
君に伝えたかったんだ。

いつも本当に、ありがとうございます!

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