既読

既に読まれている。既に。と画面の中の一等小さな2文字。面白いほどにそっけなく重さがない。私はというとこんなにも。
自分勝手であると切り捨てたことがある。相手の都合もあるでしょうと人に説いたこともある。握りしめている長方形。誰に言い訳するでもなく、言い訳をするような相手もなく。取り繕うように取り留めもなく。ああ人間とはこんなにも面倒くさい、と惨めである自分からスコープを離していることにも気づきながら、恥ずかしさと悔しさとでもやっぱり少しのどうでもよさ。このあとにもう一度、何を送れば既読の後にふきだしが現れるのだろう。