人食い鬼
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弥吉はいつも爺様と一緒に山に行くのだが、その日は爺様の具合が悪かった。
仕方なく一人で獲物を追っていると、どこでどう道を間違えたか、見知らぬ土地に出てしまった。
人食い鬼が出るから山の奥に入り過ぎるなと爺様が言っていたのをふと思い出す。
人食い鬼に捕まって食われなければいいが——。
そう思った途端、ぬらりと大きな影が背後に現れ、弥吉の体は丸ごと闇に飲み込まてしまった。
振り返ると、そこには筋骨隆々とした巨大な鬼が恐ろしい形相でそびえている。
「人め! なんでこんなとこにおるか!」
わっと叫喚をあげて弥吉は駆け出した。
全身からどっと汗が吹き出し、心臓はぐしゃりと握り潰されたように跳ねあがった。
こけつまろびつ弥吉は必死に地を蹴ったが、あっという間に後ろから首を掴まれて、ぶんっと投げられ、家の屋根に落ちて助かった。
鬼には弥吉など自分の家に迷い込んだうるさい虫の如きものだったのだ。
仕方なく一人で獲物を追っていると、どこでどう道を間違えたか、見知らぬ土地に出てしまった。
人食い鬼が出るから山の奥に入り過ぎるなと爺様が言っていたのをふと思い出す。
人食い鬼に捕まって食われなければいいが——。
そう思った途端、ぬらりと大きな影が背後に現れ、弥吉の体は丸ごと闇に飲み込まてしまった。
振り返ると、そこには筋骨隆々とした巨大な鬼が恐ろしい形相でそびえている。
「人め! なんでこんなとこにおるか!」
わっと叫喚をあげて弥吉は駆け出した。
全身からどっと汗が吹き出し、心臓はぐしゃりと握り潰されたように跳ねあがった。
こけつまろびつ弥吉は必死に地を蹴ったが、あっという間に後ろから首を掴まれて、ぶんっと投げられ、家の屋根に落ちて助かった。
鬼には弥吉など自分の家に迷い込んだうるさい虫の如きものだったのだ。
ホラー
公開:19/11/23 23:11
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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