てぃんこ祭り

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7年に一度の奇祭「てぃんこ祭り」の季節がやってきた。

日暮れの神社の境内には薪(たきぎ)があちこちに掲げられ、真ん中にはそそり立つ巨大な棒状のもの。その根本にはこれまた巨大な“たま”がふたつ供(そな)えられている。

厳(おごそ)かな神楽が演奏され、選ばれた七人の皮をかぶった男たちが登場してきた。

そして、これも選ばれた艶(つや)のある女が七人。男の前に跪(ひざまず)き皮をこすり男たちに激しく求める。

やがて仁王立ちの男たちは身体からみなぎる熱いものを開放し、力いっぱい“せいし”を飛ばすのだ。

女たちは“せいし”を口にして歓喜の表情をする。

これで祭りは終了である。

この地方では「天」を「てぃん」と発音する。つまり「てぃんこ」は「天狐」を意味する。

選ばれた男が狐の皮を被り、天狐が宿る御神体に誓紙を捧げ、それを黒髪美しい女が読むのである。五穀豊穣、家内安全、病気平癒などの。
ファンタジー
公開:19/11/25 17:51
更新:19/11/26 19:45
192 エロい話じゃありません 厳かな儀式の話です 天弧祭 誓紙 オオカミの自信作

武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド )

武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。

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