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ある街の通りに一軒の魚屋があった。
その魚屋はある方法を使って商売をしていた。
それは、店の前に大きなコンロを置き、焼いた魚の煙でお客を呼んでいるのだ。
お客の方も「いや~、いい香りだね。クンクン嗅いでいたら無性に秋刀魚が食べたくなったよ。おやっさん、一本頂戴」と言った具合に籠の中の魚がどんどん買っていく。
当然、煙に引き寄せられるのは人間ばかりではない。
そう、街のギャング、どら猫一家もその限りではない。
「兄貴、あそこの店の魚、美味しそうですよ。こっそり拝借して来ますか?」
「いや、辞めておこう。あそこの店の親父は執念深いからな。どうせ追いかけられるなら可愛い雌猫達だけで十分だ」
「それじゃ、今日の晩ご飯はどうするんですか。おいら、お腹がペコペコっす」
「安心しろ。俺達にはこれがあるだろ」
「これって、冷や飯じゃないですか」
「ああ、そうだとも。あそこの煙を肴に冷や飯を食べるのさ」
公開:19/11/25 11:31
更新:19/11/25 12:00

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