『水』 にゃんでもとはいかない事情

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私は人間で彼は猫である。
生きるのに空気と水と食料と……色々要るのは猫も同じ。
彼――ニャ太郎はもう十年生きているが、いつから誰に似たのやら味にうるさい。特に飲み水はこだわる。
なので私はある種類の美味しい水を買いに行く。これじゃなきゃ飲まないのだ。
水道水を与えても、すんすん匂いを嗅いでふいとこちらを向き口をつけない。
「これ何? 違うんじゃない?」と無言の抗議。
放っておくと飲むが便秘や吐いたりで大変だ。
なので、私は美味しい水を進呈する。猫彼にご奉仕する。
そんなニャ太郎は、今日もトッピングを加えたごはんと美味しい水で満足すると、こちらを見ずに顔を洗い出す。
「水くさいじゃんかニャ太郎~」
とハグすると、激しくもがき爪とぎ板に直交してバリバリ。束縛はお嫌いらしい。
けれども私は、また美味しい水を買ってくる。ただ彼が「水ちょうだい」と極上にキュートな顔をしてくるから……。
猫は魔物だ。
その他
公開:19/11/22 19:47

とーしろさん

はじめまして~。
いつだって初心で、挑戦者のこころでぶっ込みたい素人モノ書きです。

沢山の方々に支えられ、刺激を与えられ、触発されて今日ももちょもちょ書いております。
一人だけでは生み出せないモノがある。
まだ見ぬステキな創造へ、ほんの少しずつでも進んでいきたい。

ショートショートというジャンルに触れる切っ掛けをくださった、
月の音色と大原さやかさんを敬愛し感謝しております。

興味をもって読んでくださる全ての方にも、ありがとうございます~^^

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