付けっぱなしの反抗期
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我が家には不思議な表札がある。玄関ではなく長男の部屋に架けられているソレは、どうやら私にしか見えないらしい。早朝、学校に行く息子を起こすために部屋の前に立った。
「あらやだ。また反抗期のままにしてたわ。どうりで昨日は荒れていたのね。」
「反抗期」と書かれた表札を裏返し、「素直期」と書かれた側を表にした。ノックをすると、すぐに息子が出てきた。
「おはよう、母さん。」
「おはよう。朝食出来てるわよ。あなたの大好物のエッグベネディクト。夜はA5ランクの牛肉を使ったすき焼きよ。」
「美味しそうだね。」
「昨日は残念だったわ。でも、また頑張れば大丈夫。」
その言葉に、息子は満面の笑みで微笑んだ。
「母さん、先に行ってて。」
「早く降りて来なさいね。」
母さんの姿が見えなくなると、僕は自分の部屋の表札を裏返し、母さんの部屋に掛けられた札が「甘々期」と書かれているのを確認した。
「あらやだ。また反抗期のままにしてたわ。どうりで昨日は荒れていたのね。」
「反抗期」と書かれた表札を裏返し、「素直期」と書かれた側を表にした。ノックをすると、すぐに息子が出てきた。
「おはよう、母さん。」
「おはよう。朝食出来てるわよ。あなたの大好物のエッグベネディクト。夜はA5ランクの牛肉を使ったすき焼きよ。」
「美味しそうだね。」
「昨日は残念だったわ。でも、また頑張れば大丈夫。」
その言葉に、息子は満面の笑みで微笑んだ。
「母さん、先に行ってて。」
「早く降りて来なさいね。」
母さんの姿が見えなくなると、僕は自分の部屋の表札を裏返し、母さんの部屋に掛けられた札が「甘々期」と書かれているのを確認した。
ホラー
公開:19/11/22 18:35
スクー
綺麗な文章を書きたいと思ってます。
どうぞ、よしなに。
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