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私は○○新聞社でテレビ欄を担当している。横書きのテレビ欄に縦書きで隠れメッセージを入れるのは弊社の伝統になっていた。それは大抵、読者がテレビ欄の左端を縦読みしたら気づくように仕掛けることになっている。横書きの番組説明と縦書きのメッセージをいかに組み合わせるか、いつも頭を悩ませた。私の部下、立田(たてだ)君は今日もぶつくさ言っている。「こんな伝統、誰が作ったんですか?隠れ縦書きに気づく人いるんですかね?」「読者の大半は気づいてるわよ、むしろ縦書きファンばかりよ。テレビ欄の醍醐味。」徹夜続きの私は適当にそんなことを言った。同じく徹夜続きの立田くんが「出来ました!」と私に担当した番組欄を提出した矢先、通りすがりの上司がその下書きを手に取り縦書きを読み上げた。『先輩、今度は映画行きましょう』
上司が言った。「何だお前ら、縦書き愛ってか?笑」
私は立田君を丸めた新聞で殴った。
上司が言った。「何だお前ら、縦書き愛ってか?笑」
私は立田君を丸めた新聞で殴った。
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公開:19/11/22 16:00
更新:19/11/22 16:05
更新:19/11/22 16:05
スクー
縦書き愛
夜野 るこ と申します。
(よるの)
皆さんの心に残るようなお話を書くことが目標です。よろしくお願いします。
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