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俺は喜志郎の事を男としても、武士としても尊敬している。
刀を抜かずともその目に射抜かれる事で相手は戦意を喪失する。
一度刀を抜けば後に残るは無残な亡骸。最強の侍たる喜志郎は城の男達の憧れだ。
そんな喜志郎が突如、城を去った。
殿から賜った刀を置き、遠くの地へと旅立った。
俺は何故、喜志郎が武士を捨てたのか知りたかった。
だからこんな寂れた漁村までやって来た。こんな所で喜志郎は何をしているんだ?
村人に話を聞き、俺は浜辺に向かう。
そこには楕円形の板を持った褌姿の喜志郎がいた。
喜志郎は板を片手に海に走ると向かい来る波も何のその。板に乗り、暴れ狂う波を乗りこなしていた。
す…凄くカッコいい!
その姿に見惚れ、立ちつくす俺に喜志郎は言った。
「波が俺を呼んでいる。今日は良い波が来るぞ。あと女にモテたい」
良い波を知る人となった今、喜志郎は女にもモテるのかい?
俺、喜志郎さんに一生ついていくよ!
公開:19/11/23 19:07

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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