水を切る
8
8
サッカー大会の帰り道。俺とカズは疲弊した体で、自転車に動力を与える。
「智也、また水切りしようぜ」
「また?もう帰ろうぜ、腕すらあがんねぇよ」
俺とカズの近所には河原があって、カズはこうしてふいに勝負を挑んでくることがある。
「うっせ!今日から俺の快進撃が始まるんだよ!」
カズは水切りが下手だ。俺が八回以上に対して、3回とか4回がせいぜいだ。だから、いつも惨敗して勝者の俺にアイスをくれる。
河原に着くと、カズは姿勢をかがめ早速円盤状の石を投げる。手元から離れた石は、大きくワンバウンドして川底へ沈んでいった。俺は爆笑した。
カズはコンビニで二本のガリガリ君を買い、一本を俺に渡す。次はぜってぇ勝つ。そういいつつも、多分勝つつもりはないんだろうなと俺は思った。大会で俺がミスすると、決まって水切りを挑んでくる。
俺はガリガリ君に齧り付く。
そして、「ありがとう」と一言添えた。
「智也、また水切りしようぜ」
「また?もう帰ろうぜ、腕すらあがんねぇよ」
俺とカズの近所には河原があって、カズはこうしてふいに勝負を挑んでくることがある。
「うっせ!今日から俺の快進撃が始まるんだよ!」
カズは水切りが下手だ。俺が八回以上に対して、3回とか4回がせいぜいだ。だから、いつも惨敗して勝者の俺にアイスをくれる。
河原に着くと、カズは姿勢をかがめ早速円盤状の石を投げる。手元から離れた石は、大きくワンバウンドして川底へ沈んでいった。俺は爆笑した。
カズはコンビニで二本のガリガリ君を買い、一本を俺に渡す。次はぜってぇ勝つ。そういいつつも、多分勝つつもりはないんだろうなと俺は思った。大会で俺がミスすると、決まって水切りを挑んでくる。
俺はガリガリ君に齧り付く。
そして、「ありがとう」と一言添えた。
青春
公開:19/11/23 16:35
ログインするとコメントを投稿できます