遊びの女

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「私は、あなたの何だったのよ、答えなさいよ! 潤!」

 あれだけ大切にされて、あれだけ一緒に楽しい日々を過ごしたはずなのに……。

 女は、潤に叫び続けた。潤は、女に見向きもせずに、立ち去ろうする。女は悔しくて、悲しくて、堪らずに叫び続けた。

「どういうつもりよ。また新しい女でも作るのね? そうでしょう?」

 それでも、女の声は潤には届かなかった。一緒に歩く女が潤に声をかけた。

「ねえ、潤ちゃんは、男の子なんだから、リカちゃん人形は卒業ね」
「うん僕、もう人形より、同じクラスの沙耶ちゃんがいい」
「おぉ偉いなあ、パパもそうした方がいいと思うぞ? 引っ越してきて、お友達が出来て、潤、良かったな?」

 潤……。やっぱり私は、遊びの女だったのね? 悔しいわ。あれだけ仲良くしてくれていたのに。人間に負けるなんて! 人形辞めたいわ!

 リカは、ゴミ箱に捨てられて、そう思った。
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公開:19/11/21 01:38
更新:19/11/21 01:39
遊び 男女 恋愛 気持ち 感情

二月三月( アルファポリスとyoutube )

普段は中編、短編などをメイン活動しております。
小説は4年前から書き始めて、作家になれたらなあ?と考えるようになりました。
でもショートショートってすっごく難しいですよね。
どうぞよろしくお願いいたします。

作家の小狐裕介さんのyoutubeでこのサイトがショートショートに適したサイトだとお聞きして、こちらに登録することにしました。
 

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