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静かな夜だ
秒針の進む音はこんなにも大きかっただろうか
自分の心音が耳の奥で響き
自分の息が耳を触るようで
考えることも悩むことも必要としないような
目を開けば真っ暗な世界
初めは何も見えないけれど
徐々にぼんやりと部屋の輪郭が見えてくる
暗闇に目が慣れだした頃
今日と言う一日を思い返す

上司に怒鳴られ
同僚に蔑まれ
後輩に侮辱された
落ちそうになる
でも
お客さんがありがとうと言ってくれた
常連さんが笑顔をくれた
そしたら僕も笑顔になった
だからまだ落ちたりしない

僕はまた目を閉じる
暗闇の中
より暗闇へ
その光が僕の目をこじ開けるまで。
その他
公開:19/11/20 22:51

鳴平伝八

なりひらでんぱち
文字を綴るのが楽しいです。
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