私をくるむもの

私は真っ暗な部屋に監禁されていた。何も見えない。手探りで辺りを調べてみる。
この部屋は丸い球体状でどこもかしこもボコボコしている。そして柔らかい。
壁の一部を剥ぎ取り、口にする。これは…キャベツ？
どうやら私はキャベツの中に閉じ込められているらしい。
意味は分からないがとりあえず外に出てみよう。キャベツを食べ進めて行けば外に出られるだろう。
私はキャベツを食べ進めた。疲れるとキャベツにくるまって寝た。
ロールキャベツか！と一人ツッコミを入れる。
キャベツを食べ進め、私はようやく外に出た。周りを見ると一面キャベツ。ここはキャベツ畑だ。
呆然とする私を何かが咥えた。コウノトリだ。
コウノトリは器用に私をくるむとどこかに向かって飛び始めた。どこに行くつもりだ？
コウノトリは私を人間の女性のお腹の中へと運び込んだ。
ようやく私も気付いた。私は赤ちゃんでどうやら近々、この女性から産まれてくるようだ。