ビギニング

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「ごめんなさい」
人気のない夜の公園。彼女はそう言って目を伏せた。
「どうして」
俺は戸惑いながら言った。
「俺じゃダメなのか?」
「本当にごめんなさい」
「それじゃわからないよ。俺の何がダメなんだ」
「何って」
彼女は俯いたまま言った。
俺は必死だった。
白ブリーフ1枚にマントを羽織っただけだったけど、寒くはなかった。むしろ俺の熱気で両乳首に貼った星形のシールが剥がれそうだ。慣れないハイヒールのせいで足が痛いしニーハイもずり落ちそうだけど、気にしてはいられない。
「教えてくれ。一体俺の何がダメな」
「何もかもがだよこのハゲ!」
彼女は顔を上げると、そう叫んで走り去った。
「ちょ、これはヅラだって!」

俺は一人公園に取り残された。風が冷たい。
「どうして」
夜空を見上げた。
バタフライマスクを外す。
星が綺麗だ。
「どうしてこんな格好したんだろう、俺」

でも、色々含めて興奮していた。
青春
公開:19/11/21 22:07
更新:19/11/21 22:09
ツムオ ビギニング ライジング スクー 青春裸族 か?

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