王子さまとバラの花
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「ぼく、この星へやってきて、ある日、とてもきれいなバラの花たちに出会ったんだ。」
単気筒エンジンのプラグを掃除してはめ直している最中に王子さまに話しかけられた僕は、ちょっとイライラしていた。
「花なんてどこにでもあるじゃないですか。珍しいものでもない。」
「それがね、その時ぼくは自分の星に残してきたあの花のことを思い出したんだ。」
「それがどうしたんですか。」
「だから、この星で観たバラの花たちにぼくはこう言ってやったんだ。きみたちは綺麗かもしれないが、ぼくの星のたった一輪の花はか弱くて本当は折れそうなのにせいいっぱい意地を張っていたんだ。きみたちとは違うよ、って。」
ふてくされてそっぽを向いているゆきに向かって、僕はそんな話をしてみた。
「あんた、バカだね。そんなおとぎ話みたいなこと言ってさ。」
こちらを見ずにぽつりとつぶやいたゆきの背中は小刻みに震えてた。
単気筒エンジンのプラグを掃除してはめ直している最中に王子さまに話しかけられた僕は、ちょっとイライラしていた。
「花なんてどこにでもあるじゃないですか。珍しいものでもない。」
「それがね、その時ぼくは自分の星に残してきたあの花のことを思い出したんだ。」
「それがどうしたんですか。」
「だから、この星で観たバラの花たちにぼくはこう言ってやったんだ。きみたちは綺麗かもしれないが、ぼくの星のたった一輪の花はか弱くて本当は折れそうなのにせいいっぱい意地を張っていたんだ。きみたちとは違うよ、って。」
ふてくされてそっぽを向いているゆきに向かって、僕はそんな話をしてみた。
「あんた、バカだね。そんなおとぎ話みたいなこと言ってさ。」
こちらを見ずにぽつりとつぶやいたゆきの背中は小刻みに震えてた。
ファンタジー
公開:19/11/19 18:33
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星の王子さま
バラの話編
武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。
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