私の王子様

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最近スマホで恋愛シミュレーションゲームにハマってる私。恋愛相手は白馬の王子様『ルイ』に設定。遊んでいるうちに、ゲームプログラムにバグが生じたので中断した。
翌朝、ベッドで微睡んでいると、ルイが寝ている私の両腕を押さえつけて言った。「今日は早めに帰る。夕食はおでんがいい。」私は頬をつねった。痛かった。外見は白馬の王子様だが、中身は旦那そのものだった。バグってる。ルイは洗面台で歯磨きしながら嗚咽した。テーブルに競馬新聞を広げマーカーでチェックする。バグのせいか、時々カッコイイしぐさをする。壁ドン。顎クイ。「行ってくるよ。」と白馬で出勤した。
カッコイイけどなんか違う。
そのうちバグは解消した。
ゲームの中のルイは甘く囁く。
『ボクと結婚してくれないかい?』
私はNoを選択した。
夕方、普通のスーツ姿の旦那が戻ってきた。おでんを美味しそうに食べる旦那を見ながら、まあ悪くないか。と呟いた。
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公開:19/11/20 13:46
更新:19/11/20 14:09

夜野 るこ

  夜野 るこ と申します。
(よるの)

皆さんの心に残るようなお話を書くことが目標です。よろしくお願いします。

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