夜明けのブルース

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駅前の駐輪場。
田原は誰かの自転車が風に薙ぎ倒されているのを見た。
彼は渋く溜息をついて、自転車を元に戻した。
ふと振り返ると、路地裏で少女がチンピラ達に絡まれているのを見た。
どうする?
迷っている自分が嫌いだった。
「おい、てめえら何やってんだ!」
田原はドスの利いた声で割って入っていった。
だが、チンピラ達は思った以上に強気だった。
どうやら格闘技の心得でもあるらしい。
これは、やられるかもしれねーな…
「ここは、私にお任せを!」
颯爽と現れた、一人の美少女。
瞬く間にチンピラ達をのしてしまった。
田原は驚くとともに、自嘲した。
少女を助けようとしたオッサンが、まさか別の少女に助けられるなんて…。
「あの、お礼の代わりに、ちょっと撫でてもらえませんか?」
田原が言われるままに美少女の頭を撫でるとチリリンと鳴って少女は消えた。
振り返ると、さっきの自転車も消えていた。
ファンタジー
公開:19/11/20 07:52

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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