小さな悲鳴
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小学校の昇降口。下駄箱前に敷かれたすのこ。
「ガタンガタン」
男の子が勢いよくそこへ飛び乗り、大きな音が出口にいる私にぶつかる。私は電車が通り過ぎていくような、このけたたましい音が苦手だ。でも祐子のは違う。
「カシャン、カシャン」
と、はた織り機のような音で小気味良い。だから祐子が来るとすぐわかる。私と祐子は小学校1年生からの仲だ。5年生になった今は、クラスが違ってしまったけど、下校するときはいつも一緒。今日も話したいことを一杯携えて出入り口で待っている。
でも、
「タン、タン」
私はわからなかった。
「佳奈お待たせ!」
「あ、祐子!遅すぎ!!何やってたの?」
「ちょっと先生と話し込んでてさぁ!ちょっと、もぉ聞いて!!」
「タン、タン」
私は気づけなかった。
その日から、祐子の綺麗な足音は昇降口から消えてしまった。
「ガタンガタン」
男の子が勢いよくそこへ飛び乗り、大きな音が出口にいる私にぶつかる。私は電車が通り過ぎていくような、このけたたましい音が苦手だ。でも祐子のは違う。
「カシャン、カシャン」
と、はた織り機のような音で小気味良い。だから祐子が来るとすぐわかる。私と祐子は小学校1年生からの仲だ。5年生になった今は、クラスが違ってしまったけど、下校するときはいつも一緒。今日も話したいことを一杯携えて出入り口で待っている。
でも、
「タン、タン」
私はわからなかった。
「佳奈お待たせ!」
「あ、祐子!遅すぎ!!何やってたの?」
「ちょっと先生と話し込んでてさぁ!ちょっと、もぉ聞いて!!」
「タン、タン」
私は気づけなかった。
その日から、祐子の綺麗な足音は昇降口から消えてしまった。
青春
公開:19/11/20 06:33
更新:19/11/20 06:43
更新:19/11/20 06:43
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