秘宝
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宝の地図──子供の頃はこの単語だけでワクワクしたものだ。どこかに眠っている金銀財宝を探し求める冒険譚は使い古されたネタながら、根強い人気がある。
大人になるにつれて、それはファンタジーでありフィクションということを認識するようになるのだが、心のどこかでそのような夢がどこかに存在しているという淡い期待を拭い去ることはできない。
そして今、その地図を手にしている。
解読する楽しみを噛みしめながらも、時間を作り割り出した場所へと赴く。廃村と思われる場所の目的地に向かって脇目も振らず進んでいく。
ここだ──目の前には古い井戸。この奥底にきっとある。慎重に中へ潜入し、底に辿りつくころには暗闇が支配する。シャリっという気分の悪い感触。危険を察知したものの、戻れない。電波も届かないから助けも呼べない。誰も手に入れてないから幻の宝なのだ。
井戸の横に置いた宝の地図が風に舞い上がった──
大人になるにつれて、それはファンタジーでありフィクションということを認識するようになるのだが、心のどこかでそのような夢がどこかに存在しているという淡い期待を拭い去ることはできない。
そして今、その地図を手にしている。
解読する楽しみを噛みしめながらも、時間を作り割り出した場所へと赴く。廃村と思われる場所の目的地に向かって脇目も振らず進んでいく。
ここだ──目の前には古い井戸。この奥底にきっとある。慎重に中へ潜入し、底に辿りつくころには暗闇が支配する。シャリっという気分の悪い感触。危険を察知したものの、戻れない。電波も届かないから助けも呼べない。誰も手に入れてないから幻の宝なのだ。
井戸の横に置いた宝の地図が風に舞い上がった──
ホラー
公開:19/11/20 01:03
書いたり描いたりすることが好き。
ただし気分屋でムラがあるからいつも書いたりしているとは限らない。
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