新月の夜のこと。
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新月の夜のこと。
いつものように、タクシーを運転していると、ひとりの若い女が、手を挙げていた。もう、午前2時を回っている。
女の前で停車する。幼い顔立ちの女だ。
「よかった。タクシーを呼ぼうかと思ってたんです」
「それはそれは、ナイスタイミングでしたね。行き先は?」
「あ、とりあえずまっすぐで」
彼女は二十歳を迎えたばかりらしい。しかし、正直二十歳に見えない。まだ、高校生くらいに見える。
彼女はとても楽しげに話をした。駅前の居酒屋で、カシスソーダを一杯飲んだこと。どうしても会いたい人に会うために、田舎から出てきたこと…。
「それで?会いたい人には会えたんですか?」
彼女は歌うように言った。
「会えましたよ〜」
次の瞬間、首筋がひんやりとした。
「え?」
刃物が…包丁が…首に…。
「ふふ、やっと会えましたね。ねぇ、刺されたいって言ってたでしょ?」
いつものように、タクシーを運転していると、ひとりの若い女が、手を挙げていた。もう、午前2時を回っている。
女の前で停車する。幼い顔立ちの女だ。
「よかった。タクシーを呼ぼうかと思ってたんです」
「それはそれは、ナイスタイミングでしたね。行き先は?」
「あ、とりあえずまっすぐで」
彼女は二十歳を迎えたばかりらしい。しかし、正直二十歳に見えない。まだ、高校生くらいに見える。
彼女はとても楽しげに話をした。駅前の居酒屋で、カシスソーダを一杯飲んだこと。どうしても会いたい人に会うために、田舎から出てきたこと…。
「それで?会いたい人には会えたんですか?」
彼女は歌うように言った。
「会えましたよ〜」
次の瞬間、首筋がひんやりとした。
「え?」
刃物が…包丁が…首に…。
「ふふ、やっと会えましたね。ねぇ、刺されたいって言ってたでしょ?」
ホラー
公開:19/11/18 18:23
更新:19/11/18 18:36
更新:19/11/18 18:36
10101298さんへ
2日連続のサイコパス女
10101298さんの
コメントから
発想を得ました
書くこと、読むことが大好きな社会人3年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』
note https://note.com/sumire_ssg
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