私をくるむもの

私の母は女神である。私の父は人間である。私の兄弟姉妹は天使である。私も天使である…か？
兄弟姉妹は母譲りの翼で空を飛ぶことが出来る。全く…あんな小さな翼で何故飛べるんだ？理解が出来ない。
その秘密はきっとあの薄い衣にあるんだと思う。あの衣にくるまれることできっと重力を感じなくなるんだ。
私は衣をたくさん集め、両親に頼んでくるんでもらった。身動きが取れなくなった。
皆が笑っている。飛べない上に凄く悔しい！
きっと私は父譲りなんだ。父は人間だから空を飛ぶことが出来ない。私は父に似たんだ！
「いいや、君は正真正銘母さん似だよ」
父の言葉に私は納得出来ない。何で？
「母さん、ああ見えて小悪魔なんだ。昔、僕を含む多くの男に貢がせていた」
そうなんだ。今の私と一緒なんだね。
私はとにかくモテる。何故なら、兄弟姉妹みたく浮いていないから。
美人の私は地に足着けた方法で貢ぎ物のブランド品にくるまれている。