反抗期スイッチ

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アンドロイドの「息子」と暮らし、十年が経った。購入したのは独り身の寂しさを紛らすためだったが、今や私は母親のような心境だ。

でも、最近張り合いがない。従順すぎる。もっと…刺激が欲しい。

メーカーに相談すると「反抗期スイッチ」があるとのこと。早速、息子が寝ている間に背中の制御板をいじる。最初は目盛り最小で…。

翌朝、部屋に行くと
「うるせえババア!起こすなよ!」
まあ、ステレオタイプ…。でもこれよ!私の求める刺激!
「おい!金よこせよ…おい!」
私の胸ぐらを掴む息子。こ、これで目盛り最小?…あ、まさか回す方向間違えた?

「ちょっと背中見せて!」
「なんだよババア!」
揉み合いになり、私は突き飛ばされた。その拍子にベッドの角で頭を強かに打つ。

ぐったりした私を見て息子はたじろいだが、すぐニヤッとして言った。

「なんだ、同じじゃん」

折れた私の首からは、緑色のオイルが吹き出ていた。
ホラー
公開:19/11/18 15:20
更新:19/11/18 15:57
スクー 付けっぱなしの反抗期

makihide00( 鳥取→東京→福岡 )

30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。

長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。

Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00

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