再会を祝して

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やれやれ、やっと着いたぜ。
今年で…へえ、もう10年めか。何回やっても帰省ってのは疲れるもんだ。
長旅を終えた俺がぼんやり辺りを眺めていると、隣の家の庭からよく知った顔が覗いた。

「ああ、今年も帰ってきたんだ。もうそんな時期か。あら、何だかちょっと老けたんじゃない?」

お互い様だろ。そっちも昔よりシワが…おっと女性に年齢の話は禁物か。

「今年もひとり?そろそろお嫁さん連れてきたら?」

…無神経なヤツだな。これでも一応、婚活してんだよ。見つからないものはしょうがないだろ。

「まあいいわ。お腹減ったでしょ。いつものみかん、ここに置いとくからね」

…まあ何だかんだ言って親切には違いないけどな。どれ、さっそく頂くか。


隣の家の窓が閉まると同時に、色褪せた羽のツグミがチョンチョンと空き地を横切り、庭に置かれた半切りのみかんを一心不乱についばみ始めた。

冬の到来はまもなくだ。
その他
公開:19/11/18 14:03
更新:19/11/19 15:59
毎年帰ってきてくれてた 去年から見てない

秋田柴子

2019年11月より、SSGの庭師となりました。
現在SSから長編まで幅広く書いております。

【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞1回 入選2回
・SSG 空想競技コンテスト 入賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・SSマガジン『ベリショーズ vol.5,6,7,light』掲載(Kindle無料配信中)
https://www.amazon.co.jp/dp/B096821HSW

【近況】
 いろいろ書いてます(笑)

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