寂しがり屋のオオカミの話
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寂しがり屋で人見知りのオオカミは、素敵なお話を読んで、それを書いた人と仲良くなりたいと思いました。
ある日、勇気を出してその人に話しかけてみました。
「こんにちは。素敵なお話ですね。」
「ありがとう。」
また別の日、違う人に話しかけてみました。
「おもしろいお話ですね。楽しかったです。」
「それはよかった。」
気を良くしたオオカミは、さらに次の人に話しかけてみました。
「このお話のこんなところがよかったです。」
「……」
「へえ、こんな内容、不思議ですね。ぼくはこう思いました。」
「……」
思い切って話しかけても、なんにもお返事がありません。オオカミはとても悲しくなりました。
「素敵なお話を読んだら、それを書いた人とお話してみたいのに、そうじゃない人もいるんだな。」
オオカミは大切なことを学びました。
目に見えていることがすべてじゃないんだな。
ある日、勇気を出してその人に話しかけてみました。
「こんにちは。素敵なお話ですね。」
「ありがとう。」
また別の日、違う人に話しかけてみました。
「おもしろいお話ですね。楽しかったです。」
「それはよかった。」
気を良くしたオオカミは、さらに次の人に話しかけてみました。
「このお話のこんなところがよかったです。」
「……」
「へえ、こんな内容、不思議ですね。ぼくはこう思いました。」
「……」
思い切って話しかけても、なんにもお返事がありません。オオカミはとても悲しくなりました。
「素敵なお話を読んだら、それを書いた人とお話してみたいのに、そうじゃない人もいるんだな。」
オオカミは大切なことを学びました。
目に見えていることがすべてじゃないんだな。
ファンタジー
公開:19/11/18 11:50
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武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。
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