亡骸-なきがら-
6
4
「ねぇねぇねぇ」
少年はその辺にあった枝で寝ている友達をつついたが、友達はビクともしなかった。
「ねぇねぇねぇねぇ」
「……」
「どうしたの? いつもみたいにあそぼうよ」
少年は地に仰向けで横たわっている友達に問いかけるが、返事は無い。
「おーい」
少年は友達の顔を覗き込むが、友達は一向に目を覚まさない。
風が強く吹いてきた。それは砂嵐となって、少年とその友達に降りかかる。
「このままじゃ、うまっちゃうよー?」
少年は友達の顔にかかった塵芥を払いながら問いかける。返事は無い、だが代わりに少年が掬ったのは違和感だった。
「つめたい」
友達の顔の冷たさと、触れた自分の手の体温の相違。
自分と一致しないという悉くを自覚したとき、少年は泣いていた。
流した涙が乾き、乾いた涙が風に吹かれて冷たい。
友達に触れた時の冷たさも、脳裏から離れない。
なのに少年の心は、とても温かかった。
少年はその辺にあった枝で寝ている友達をつついたが、友達はビクともしなかった。
「ねぇねぇねぇねぇ」
「……」
「どうしたの? いつもみたいにあそぼうよ」
少年は地に仰向けで横たわっている友達に問いかけるが、返事は無い。
「おーい」
少年は友達の顔を覗き込むが、友達は一向に目を覚まさない。
風が強く吹いてきた。それは砂嵐となって、少年とその友達に降りかかる。
「このままじゃ、うまっちゃうよー?」
少年は友達の顔にかかった塵芥を払いながら問いかける。返事は無い、だが代わりに少年が掬ったのは違和感だった。
「つめたい」
友達の顔の冷たさと、触れた自分の手の体温の相違。
自分と一致しないという悉くを自覚したとき、少年は泣いていた。
流した涙が乾き、乾いた涙が風に吹かれて冷たい。
友達に触れた時の冷たさも、脳裏から離れない。
なのに少年の心は、とても温かかった。
その他
公開:19/11/18 11:00
きまぐれ投稿
ログインするとコメントを投稿できます