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シャブ中だった父がついに亡くなった。

あんな父親でもやはり父は父だ。
あたしは、ごく僅かな身内だけの葬式を行なった。
僧侶の読経も終わり、父の遺体は火葬場に運ばれ、火に焼かれ、真っ白な灰となった。
「酷い男だったけど、死んだら綺麗なもんだねぇ」
離婚していた母も、今日だけは駆けつけて世話をしてくれた。
あたしは、まだマトモだった頃の優しい父との思い出を振り返り、涙を流した。
「父さん⋯⋯」
皆で遺骨を拾っていると、天井に父の姿が現れた。
あたしは口をパクパクとさせながら、周囲の母や親戚の叔父さんたちを見たが、誰も驚いてはいなかった。
どうやらあたしにだけ見えているらしい。
「ああ、きっと悲しむあたしのために、霊となって会いに来てくれたのね!」
あたしは優しい顔でこちらに近づく父を迎えるように、両手を広げた。

だが父は、あたしの側をすり抜けると、灰になった自分をぺろぺろと舐め始めた⋯⋯。
ファンタジー
公開:19/11/18 23:48
更新:20/07/01 13:15
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渋谷獏( 東京にいるけっどカンサイジ〜ン♪ )

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